5/25
雨が降ったり止んだり、今年の5月の空は情緒がかなりおかしい。
今は雨が一時的に止んでいて、タイミングはここぞとばかりに声を張り上げるカエルの大合唱と僕のiPhoneのスピーカーから流れるくるりがチグハグなデュエットをしてる。
5月というのはなんだかおかしな月だ。
4月の春の陽気は完全に過ぎ去り、ゴールデンウィークで人々は浮かれ、梅雨に入っていろんなことのやる気を無くす。五月病なんて平和な病気もある。
そんなんこんなでよくわからない精神状態で日々を惰性で過ごしていたら5月ももうすぐ終わってしまう頃にさしかかってしまった。
なんて取り留めもないことを考えていたら鼻血が出てきた。
5月はもしかしたらえっちなことなのかもしれない…なんて突然の鼻血の理由をこじつけながら鼻にティッシュを詰める。
明日も仕事か。梅雨だとなにもかも嫌になってくるなあ…
4/3
文章を書く能力をもうちょっと磨きたいなあと思い、久々に日記なんてつけてみようと思い腰を上げた。
今日は仕事が休みだったので、遅い起床。
昨日は職場のオーナーの甥っ子さんと2人で飲みに行ったりして疲れてるから…などとつらつら言い訳をしながらベッドの上でぐだぐだと過ごしたら午前中が終わりそうになる。
やっとこさ布団から這い上がり、活動開始。
今日は掃除をするのだ。 最近天国にいってしまった、愛する家族のお部屋の片付けをする、そう決めていた。
2021.3/29 うさぎのジャッキーが息を引き取った。 おそらく老衰だろうとのこと。
突然体調を崩したジャッキーを病院に連れて行ったら、もうできることは何もないと言われた。
急に突きつけられた事実を受け止められずボロボロと泣き崩れてしまい、病院から帰って寒くないようにタオルを被せ、撫で続けた。
それしかできないから、そうするしかなかった。
何もすることができないという事実はこんなに残酷なのか。あんなに元気だったのに急すぎる。もっとよく見てたら早く対処できたのでは?
頭の中がぐるぐるして、パニック状態。
そして、撫で続けることしかできない中、仕事の休憩時間が終わり、職場に戻らなければいけなくなった。
もう生きてるうちに会えないんだろうなあ。なんて思いながら仕事に向かった。仕事に向かうしかない自分を呪った。
そしてその日、僕はもう一度ジャッキーに会う前に彼女は息を引き取った。
次の日は運良く休みで火葬をお願いしたりして、もうドタバタ…
それから数日経って今日、覚悟を決めてジャッキーの過ごしたおうちを片付ける。
俺のパンツが大好きでおもちゃにしてたなあ。ヨレヨレで穴の空いたパンツを捨てる。 食べ掛けだったお菓子を捨てる。ジャッキーの匂いのするトイレを捨てる。ジャッキーがよく横になってたマットレスを捨てる。家を畳んでコンパクトにした。
ジャッキーのいた場所は、1時間弱かけて何も無くなった。
急に現実味が増した。さみしい。でも、ずっとこのままにしとくわけにはいかないんだ。
それに忘れるわけじゃない。
なんとか気持ちの整理と部屋の整理をしてたら夕方になっていた。
今日は家から出てないけど疲れたな…
適当に冷蔵庫にあるもので夕食を済ませ、天井を眺めたりしつつこの日記を書いている。
よし、明日からまたいつもの日々だ。
お仕事頑張るぞ〜!
ジャッキー、大好きよ。
3/7 HANA-BI
今日も眠気まなこを擦りながら朝5時に起床して律儀に働いていたら、上司から突然に午後の半休を言い渡された。
るんるん気分で職場を後にし、颯爽と帰宅。
そして、急遽できた時間を使って、日本で一番好きな映画の北野武監督作品『HANA-BI』を久々に見返すことにした。
タケシ演じる刑事の西さんが当時追っていた犯人にバディーを目の前で殺され、理性がぶっ飛んじゃって犯人をオーバーキル射殺してしまう。
そして刑事をやめて、病に伏してもう後先の長くない奥さんと共に最後の旅に出る。
奥さんの治療代で生まれてしまった借金の取り立てに追われながら…
そんな静かな映画。
タケシも奥さんも劇中ほとんど喋らず、静かな空気と久石譲のBGMだけが響き渡る、本当に静かな映画。
何度見ても良すぎるなあ。
以下ネタバレ感想
やはり北野武監督作品の多くには無機質と死が非常に色濃く出ている。
劇中の細かいやり取りの中に人間の根っこにある暴力性、非情性を生々しく表出してしまっていて、土台からもう無機質な世界観が作り込まれている。
そして、キタノブルー…画面いっぱいに広がる青さが世界観と重なる。
限りない青って、白よりも真っ白。
そして、映画の題名がHANABIではなく、HANA-BIと分けられてるところにも注目したい。
まずそのまま花火の様な命の儚さもこの映画では表現されてる。 しかし、それだけではない。
花。この映画では生きている花と死んでいる花の対比が非常に多い。
奥さんが枯れた花を瓶に入れ、水をあげているところに「死んだ花に水あげても意味ねえだろ!」というガヤが飛んでくるシーンがとても印象深い。
あのシーンで、明確に死んだ花が奥さんのメタファーとしてこの映画に存在していることを決定づけた。
その点を踏まえて見返すと、お寺で画面の半分に赤い元気な花、もう半分に奥さんを映すシーンも生死を対比している様に見えてくる。
最後のシーンは生死の対比が特に色濃い。
幼い女の子が元気に凧を持って走り回っているのを眺めているタケシと奥さん。
画面で比較させることによってより一層タケシと奥さんにねっとりまとわりついている死が輪郭をはっきりさせてきて、これから起こることを嫌でも暗示してしまう。
花は生死の対比表現としてこの映画でとても重要な意味を持って存在しているのがわかる。
そして火は、無機質な暴力性かなと自分は感じた。
燃え移ると情けなんてあるわけなく、全てが燃え尽きるまで消えることのない火。
人間の根っこにある暴力性そのものではないか。
よって、命の儚さとして花火、生死のメタファーとして花、人間の根っこにある暴力性として火。この三点がこの映画の主軸かなと感じた。
この映画中、最後まで一言も発しなかった奥さんが最後のシーンで「ありがとう、ごめんね」とだけ話すシーンは本当に鳥肌が立った。
言葉が重すぎる。
ありがとうとごめんね、正直なところとてもありふれた言葉なのだが、あえて劇中に何も喋らせないことによってどんな言葉よりも重みを持たせる、本当に上手い演出だった。
そして広がるキタノブルー、凧揚げをして走り回る少女、鳴り響く二発の銃声。美しすぎる。
後輩刑事がタケシたちを見ながら言った「俺にはあんな生き方できないなあ」と言う言葉に完全に同意する。
あんな生き方できないからこそこの映画は美しく、惹かれてしまうんだろう。
これからの人生でこの映画を超える邦画に出会える気がしない。
2/18 LE CANON
今日は連休最終日だったので、奮発してお高い赤ワインを買ってみた。
家の近くのワイン居酒屋『甘く浮く』がコロナによる営業自粛で期間限定のセレクトワイン酒屋さんと化していたので突撃したところ、フランスワインのル・カノンというものをお勧めしていただいた。
ル・カノンとはフランス語で「一杯やろう!」ってことらしい。なんてカジュアルな名前だろう。
しかしいざ飲んでみると、お上品な上にしっかりした酸とタンニン感が舌に直撃する。
少しピリッとした刺激もある。
お調子者そうに見えて、意外としっかりしつけられてるタイプの若者みたいな味だ。
ワインにわかな自分でも「あ、これちゃんと美味しいやつだ!」という声が自然に出てしまう。
にわかなので薄いコメントについては許してくれ、これから勉強していこうと思ってる。
とにかくうまい。
とりあえずスーパーで買ってきた牛肉をアバウトに味付けして食す。
多分、貴族ってこういうことなんだろうな。
幸せ度数がどんどん溜まり、ちょうど今カンストしたところだ。
ちなみにたくさんのオススメの中からこのワインを選んだ理由は、ローヌで作られてるからってだけで選んだ。
『甘く浮く』のオーナーさんにおすすめのワインの説明を聞いている時、ローヌという単語が聞こえてきた。 その瞬間、頭の中で名曲〈ローヌの岸辺〉がやさしく流れてきた。
よし、これだ!!
これを飲めば多分小山田壮平に一歩近づける!
本当にそれだけだ。
飲んでみた結果、ジャイサルメールに降る雨粒の形がどんなものかよくわからないし、井の頭公園で飲むコーラの味も浮かんでこない。
でもローヌで作られたワインは美味しい。
結局はただそれだけ、それだけなんだけどいいじゃないか。
今日はあまり何もしてないけど、うまい赤ワインを飲めたので最高に素敵な日だ。
明日からの仕事も頑張るぞ😤
2/1
緊急事態宣言により休業中、コロナからのプレゼントかのような冬休みを堪能している今日この頃。
せっかく時間がたくさんあるので、途中までしか見てなかった物語シリーズを最初話から最後まで、全部完走してやった。
全ての物語の始まり、傷物語で忍野メメが言っていた「みんなが幸せになるなんて甘い方法はない。みんなが不幸になる方法しかない。」ってところが開幕にして終わりまでの全てを暗示してたんだな。
みんなが平等に少し不幸を背負って生きていくしかない物語。
みんなが犯した罪をちゃんと洗い流すことができず、背負って生きていくしかない物語。
カタルシスなんて得られるわけがない。
ぬるま湯に浸かってくつろぎながら、冷めていくお湯の温度をゆっくり感じつつ確実に風邪をひいていく…みたいな感じか?
勧善懲悪のご都合な物語にさせてくれない優しい呪い。
人生には始まりも終わりもクライマックスもない。
ドラマなんて起こらないし、今の一瞬がずっと続くだけだ。
昔やった悪い事を償うステージだって用意してもらえない。
でも、時間は進んでいく。それだけは確かなのかな?
そんなことを考えてしまった。
いい物語だった。
青春とのお別れがある物語は青臭くって寂しくって優しいものだ。
12/9 ばるぼら
昨日は会社の忘年会で壮絶な疲労を抱え、なんとか帰宅。
動く気になれず、ダラダラと好きだったアニメを見返してたら夕方になってきた。
まずい、少しでも生産性を上げなければ!
ということで、映画館に突撃した。
中身のない小説を書く売れっ子小説家が謎の女ばるぼらに惹かれていき、ズブズブと底なし沼にハマっていく映画。
退廃的かつ芸術的な作品ってやっぱり太宰治に集束してしまうところはあるけれど、そういう作品の中でも『ばるぼら』は芸術的、退廃的、官能的な大衆にとっつきづらい雰囲気を醸し出しながらもギリギリのラインで娯楽映画として仕上げてる結構優秀な作品じゃないか?と思った。
はあ、このあとまた会社の飲み会がある。
早く帰れる様努力しよう。